ディアジオ 2026 The Twelve 発表、1978 タリスカー選出
Casks of Distinction 希少なシングルカスク12樽を厳選、半世紀の熟成やPX樽後熟を網羅
Diageo(ディアジオ)は、最高峰のカスク購入プログラムである Casks of Distinction より、2026年度のシングルモルト・ウイスキー特別コレクション「The Twelve」を発表しました。ブレンディングチームは年間4,200時間以上を樽のテイスティング評価に費やし、1,000万樽を超える膨大な原酒在庫の中から、豊かな歴史と個性を宿した12の希少カスクを厳選。今回のラインナップには1970年代から1990年代初頭に蒸留された原酒が含まれ、Caol Ila(カリラ)や Glen Ord(グレンオード)などの長期熟成原酒が揃っています。
主要な選定カスクと仕様スペック
今回のコレクションの中心となるのは、アイラ島の Lagavulin(ラガヴーリン) 1991年シングルカスク(Cask #1069)で、当プログラム史上最高酒齢のラガヴーリンとなります。リフィルオーク樽での熟成後、PX処理を施したアメリカンオーク・ホグスヘッドで約20年間の後熟(二次熟成)を経て、アルコール度数57.6%、125本限定でボトリングされる予定です。さらに超長期熟成カスクとして Talisker(タリスカー) 1978年シングルカスク(Cask #2824)が登場。リフィル・アメリカンオーク樽で半世紀近く熟成され、度数49.9%、131本限定です。このほか、2006年にリチャード・アメリカンオーク樽へ移され約20年熟成された Linkwood 1993年(Cask #13、度数50.4%、約180本)や、ファーストフィル・ヨーロピアンオーク・シェリーホグスヘッドで全期間熟成された Blair Athol 1997年(Cask #1491、度数57.1%)が選ばれました。
選定カスクの風味プロファイルと官能的変化
選定された各カスクは素晴らしい風味の広がりを見せます。Talisker 1978 は、最初は控えめなクリーム、バニラプリン、サバイヨン、クリームソーダのようなアロマを放ち、グラスの中で次第に底層のスモークと蒸留所特有のブラックペッパーが現れます。Lagavulin 1991 は、海洋性のピートスモークとPX樽由来のダークドライフルーツ、リコリス、トーストしたオークの風味が完璧に融合しています。Blair Athol 1997 はダークフルーツ、タンニン、スパイスの多層的なニュアンスを備え、加水によって各要素がより鮮明に引き立ちます。
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熟成プロセスの定義と官能評価の真価
Royal Lochnagar(ロイヤル・ロッホナガー) 蒸留所で開催されたテイスティング会で、Dr. Greg Wilson 氏は同僚の Dr. Stuart Morrison 氏がこのラガヴーリンを「これまでに巡り会った中で最も卓越したカスクの一つ」と評価したと明かしました。Morrison 氏は、PX樽での熟成が蒸留所の本来の個性を覆い隠すことなく驚くべき奥行きをもたらしたと述べています。樽の移し替え熟成についてディアジオ側は、熟成履歴の透明性を期すため「single cask」ではなく「select cask」という表現を用いると説明しています。
膨大な在庫管理にあたり、Diageo はデジタルシステムで樽詰日や仕様を追跡し、ガスクロマトグラフィー(GC)や高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって化合物データを分析しています。しかし、Maureen Robinson 氏や Jim Beveridge 氏ら歴代マスターブレンダーが培ってきた官能評価の経験と記憶が、依然として最終決断の核となっています。科学的数値が基準を満たしていても、卓越したウイスキーを見出す決定打は人間の鼻による感覚のみであり、これこそが The Twelve シリーズの真の価値であると強調されています。
📅 公開日: 2026-10-28
🔗 情報源: The Whiskey Wash